○十日町市中小企業・小規模企業振興基本条例

平成27年3月25日

条例第18号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 基本的施策(第9条―第16条)

第3章 雑則(第17条)

附則

豊かな自然に恵まれた十日町市は、その地域資源を生かして古くから農業と織物産業を基幹産業として栄えてきました。特に織物産業は、長い歴史の中で技術を培い、全国有数の織と染めの総合産地として発展を遂げてきました。

これまで中小企業等は、市民へ商品やサービスを提供するとともに、市民生活を支える基盤として、また、地域に密着した地域コミュニティを担う重要な一翼として、社会的使命を果たしてきました。

しかしながら、十日町市の産業経済は、近年の少子高齢化や人口減少に伴う需要の減少、経済活動の国際化による競争の激化などにより、産業構造や社会構造の急激な変化に直面しており、中小企業等は厳しい経営環境にあります。地域経済をけん引する中小企業等の衰退は、地域社会の衰退を招き、市民生活に多大な影響を与えます。

このようなことから、中小企業等の振興が、十日町市の産業及び地域社会の発展に重要な役割を担うものであることの認識を皆で共有するとともに、市、中小企業等、関係する団体及び市民が地域社会を構成する一員として社会的責任を自覚し、協働による地域経済の健全な発展と市民生活の向上を図るため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地域経済の発展に果たす中小企業等の役割の重要性に鑑み、十日町市の中小企業等の振興に関する基本理念を定めることにより、その基盤の強化及び持続的な成長発展を促進し、もって地域経済の活性化及び市民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 中小企業等 中小企業者及び小規模企業者をいう。

(2) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項各号に掲げるもので、市内に主たる事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 小規模企業者 中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模企業者で、市内に主たる事務所又は事業所を有するものをいう。

(4) 中小企業等に関係する団体 商工会議所、商工会その他中小企業等を支援する団体をいう。

(基本理念)

第3条 中小企業等の振興は、伝統産業の継承、地域産業の継続的な発展、新産業の創出及び地域社会の発展を目標に、中小企業等による自らの創意工夫と自主的な努力を尊重し促進しなければならない。

2 中小企業等の振興は、中小企業等が地域の経済及び雇用を支える担い手として重要な役割を果たしているという基本的な認識の下に行われなければならない。

3 市は、中小企業等の振興の総合的な施策を、国、新潟県及び中小企業等に関係する団体の協力を得ながら、中小企業等及び市民と一体となって推進しなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念に基づき、中小企業等の振興に関する施策を実施するとともに、中小企業等の意見を的確に反映するよう努めるものとする。

2 市は、前項の施策を実施するために必要な財政上の措置を講じ、中小企業等に対する支援を行うよう努めるものとする。

3 市は、工事の発注、物品及び役務の調達等に当たっては、市産品の利活用の促進及び地域社会の発展に取り組む中小企業等の受注機会の促進に努めるものとする。

4 市は、経営資源の確保が特に困難であることが多い小規模企業者の事情に特別の配慮をするとともに、技術の向上及び安定的な雇用の確保を含む事業の継続的な発展に資する支援を行うよう努めるものとする。

(中小企業者の役割)

第5条 中小企業者は、事業活動を行うに当たっては、経営基盤の強化、技術の継承、人材の育成、雇用の促進及び従業員の福利厚生の充実に取り組むよう努めるものとする。

2 中小企業者は、地域社会を構成する一員として、社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図り、豊かで住みよい地域社会の実現に貢献するよう努めるものとする。

3 中小企業者は、地域経済の振興を図るため、市産品の積極的な利活用及び地域の経済団体への加入に努めるものとする。

(小規模企業者の役割)

第6条 小規模企業者は、地域の特色を生かした事業活動に取り組むとともに、経済社会情勢の変化に対応して事業の持続的な発展を図るため、自主的に円滑かつ着実な事業運営を図るよう努めるものとする。

2 小規模企業者は、相互に連携を図りながら、小規模企業の振興に取り組むよう努めるものとする。

(中小企業等に関係する団体の役割)

第7条 中小企業等に関係する団体は、基本理念にのっとり、中小企業等の経営の向上及び改善に資するため、積極的な支援に努めるとともに、相互に連携するよう努めるもとする。

(市民の理解及び協力)

第8条 市民は、中小企業等が地域社会の発展及び市民生活の向上に重要な役割を果たしていることを理解し、中小企業等が市内で生産し、製造し、加工し、又は販売する産品及び提供するサービス等を利用することにより、中小企業等の成長発展を促すよう努めるものとする。

第2章 基本的施策

(経営の向上及び改善)

第9条 市は、中小企業等の経営の向上及び改善のため、新たな商品や役務の開発及び販路の開拓のための支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

(新事業展開の促進)

第10条 市は、中小企業等による新たな事業展開の促進を図るため、中小企業等がその事業基盤を市内に維持しつつ行う国内外における事業展開への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

(産業の維持継続及び発展並びに創業の促進)

第11条 市は、中小企業等の事業が継承され、本市の産業の維持継続及び発展が図られるよう必要な施策を講ずるものとする。

2 市は、中小企業等の創業を促進するため、必要な施策を講ずるものとする。

(人材の確保及び育成)

第12条 市は、中小企業等の事業活動を担う人材の確保及び育成を図るため、雇用の促進並びに職業能力の開発及び向上のための支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

(施策の効果的かつ効率的な実施)

第13条 市は、中小企業等の振興に関する施策を効果的かつ効率的に実施するため、中小企業等間の連携、特に小規模企業者と小規模企業者以外のものとの連携の促進に必要な施策を講ずるものとする。

(資金の円滑な供給)

第14条 市は、中小企業等に対して資金の円滑な供給を図るため、融資制度及び信用補完事業の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。

(その他中小企業等の振興に関する施策)

第15条 市は、第9条から前条までに定めるもののほか、中小企業等の振興に関し必要な施策を講ずるものとする。

(計画の策定及び見直し)

第16条 市は、中小企業等の振興に資する施策を総合計画に登載し、その成果を評価検証して、定期的に見直さなければならない。

第3章 雑則

(委任)

第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

十日町市中小企業・小規模企業振興基本条例

平成27年3月25日 条例第18号

(平成27年4月1日施行)