○十日町市防災基本条例

平成27年12月18日

条例第48号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 自助(第5条・第6条)

第3章 共助(第7条―第11条)

第4章 公助(第12条―第14条)

第5章 雑則(第15条・第16条)

附則

本市は、平成16年10月の新潟県中越大震災、平成19年7月の新潟県中越沖地震、平成23年3月の長野県北部地震、そして同年7月の新潟・福島豪雨など、市民の生命や財産に大きな被害をもたらした災害に見舞われてきました。また、度重なる豪雪や近年多発する異常気象には大自然の脅威を感じさせられます。

これらの災害はいつ発生するか分かりません。災害に強いまちづくりを市の最重要課題として位置付け、災害から市民の生命、身体及び財産を守り、安全な暮らしを確保するためには、災害対策の機能を強化し、地域ぐるみの防災・減災対策を推進することが必要不可欠です。

私たちは、自分の身の安全は自分で守る「自助」、地域において相互に助け合い、お互いを災害から守る「共助」、市が市民及び事業者を災害から守る「公助」の理念に基づき、市民、事業者、自主防災組織、市及び市議会が、それぞれの責務や役割を理解し、一体となって災害に立ち向かい、災害に強い、安全で安心なまちづくりを目指すため、ここにこの条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、市民、事業者、市及び市議会による災害の予防、災害が発生したときの応急対策並びに災害復旧に関する責務及び役割を定めることにより、災害対策を総合的かつ計画的に推進し、もって市民の生命、身体及び財産を災害から保護することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、地震、地滑りその他の異常な自然現象、大規模な火事又は爆発、放射性物質の放出等により生ずる被害をいう。

(2) 防災 災害を未然に防止し、又は災害が発生した場合において被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをいう。

(3) 市民 市内に居住し、又は通勤し、若しくは通学する個人をいう。

(4) 事業者 市内において事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。

(5) 要配慮者 高齢者、障がい者、傷病者、乳幼児、妊婦、外国人その他災害時に避難誘導等の支援を要する者をいう。

(6) 自主防災組織 災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「法」という。)第2条の2第2号に規定する自主防災組織をいう。

(基本理念)

第3条 市民、事業者、市及び市議会は、次に掲げる理念に基づき、それぞれの責務及び役割に応じ、連携を図りながら災害対策に取り組むものとする。

(1) 市民及び事業者(以下「市民等」という。)が、自己の責任により自らを災害から守る自助の理念(以下「自助の理念」という。)

(2) 市民等が、地域において相互に助け合い、互いを災害から守る共助の理念(以下「共助の理念」という。)

(3) 市が、市民等を災害から守る公助の理念(以下「公助の理念」という。)

(地域防災計画への反映)

第4条 十日町市防災会議(法第16条第1項の規定により設置する防災会議をいう。)は、十日町市地域防災計画(法第42条第1項の規定により作成する地域防災計画をいう。以下同じ。)の作成及び修正に当たっては、前条に規定する理念を反映させるものとする。

第2章 自助

(市民の自助)

第5条 市民は、自助の理念にのっとり、次に掲げる事項について、自ら災害に備えるよう努めるものとする。

(1) 自らが居住し、又は使用する土地、建築物その他工作物の安全の確保

(2) 家具等の転倒及び物品の落下の防止

(3) 災害時の初期対応に必要な用具の確認及び準備

(4) 災害時に必要な飲料水、食糧、生活物資等の備蓄又は確保

(5) 避難場所、避難経路及び避難方法の確認

(6) 防災に関する知識及び技術の習得

(7) 気象状況等の災害対策に必要な情報の収集

(8) 災害時の連絡先及び連絡方法の確認

(9) その他災害対策に関して必要な備えに関する事項

(事業者の自助)

第6条 事業者は、自助の理念にのっとり、次に掲げる事項について、災害に備えるよう努めるものとする。

(1) 従業員及び事業所を訪れる者(以下「従業員等」という。)の安全の確保

(2) 事業活動で使用する土地、建築物その他工作物の安全の確保

(3) 事業活動で使用する物品等の転倒及び落下の防止

(4) 災害時の初期対応に必要な用具の確認及び準備

(5) 災害時に必要な飲料水、食糧、機材等の備蓄又は確保

(6) 避難場所、避難経路及び避難方法の確認並びに従業員等への周知

(7) 防災に関する知識及び技術の従業員等への周知

(8) 気象状況等の災害対策に必要な情報の収集並びに従業員等への伝達手段の確認及び確保

(9) その他災害対策に関して必要な備えに関する事項

第3章 共助

(市民による共助)

第7条 市民は、共助の理念にのっとり、自発的に災害による被害を予防するための活動、災害時における避難及び避難誘導活動並びに負傷者の救出及び救護その他の災害対策に関する活動(以下「災害対策活動」という。)に参加するよう努めるものとする。

2 市民は、互いの生命、身体及び財産を災害から守るため、自主防災組織の災害対策活動に積極的に参画するよう努めるものとする。

(自主防災組織による共助)

第8条 自主防災組織は、地域の住民、消防団及び事業者と協力し、地域における災害対策活動を実施することにより、地域の住民の安全の確保に努めるものとする。

2 自主防災組織は、災害に備え、災害対策活動のために必要な資機材を整備するとともに、定期的な訓練、防災に関する研修及び講習等を実施し、災害対策活動に関する知識及び技術の習得及び向上に努めるものとする。

(事業者による共助)

第9条 事業者は、共助の理念にのっとり、地域の住民、消防団及び自主防災組織と連携し、地域における災害対策活動を実施するよう努めるものとする。

(要配慮者への支援)

第10条 市民等及び自主防災組織は、共助の理念にのっとり、要配慮者が災害時に安全を確保できるよう支援に努めるものとする。

(災害対策への協力)

第11条 市民等及び自主防災組織は、市が実施する災害対策に協力するよう努めるものとする。

第4章 公助

(市の基本的責務)

第12条 市は、公助の理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として、災害対策を推進するものとする。

(1) 市民等及び自主防災組織との協働による災害対策の推進

(2) 災害への備えを中心とした災害に強いまちづくりの推進

2 市は、災害に対し迅速かつ組織的に対応することができるよう十日町市地域防災計画その他の防災に関する計画(以下「地域防災計画等」という。)を策定するとともに、災害対策を行うために必要な体制を整備するものとする。

3 市は、市民等の生命、身体及び財産を災害から守るため、地域防災計画等に基づき、施策を講ずるものとする。

4 市は、地域防災計画等に基づく施策を講ずるに当たっては、市民等、自主防災組織、国、新潟県、他の地方公共団体及び関係機関との連携及び協力に努めるものとする。

(市議会の責務)

第13条 市議会は、災害対策に関する調査及び研究を行い、市へ助言及び提言を行うものとする。

2 市議会は、国及び新潟県の動向を踏まえつつ、地域防災計画等の推進の状況の監視及び検証を行うものとする。

3 市議会は、市長と協力し、国及び県への働きかけを行い、災害の予防並びに災害からの復旧及び復興の推進に努めるものとする。

(市職員の責務)

第14条 市職員は、市民等の安全を確保するため、防災に関する知識及び技術の習得に努めるとともに、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合は、被害の最小化及び迅速な回復を図るための職務を的確に遂行するものとする。

2 市は、市職員の防災に関する知識及び技術の向上のため、市職員に対し研修の機会の提供等に努めるものとする。

第5章 雑則

(要配慮者への支援体制)

第15条 市は、災害に備え、要配慮者に配慮した施策を推進するとともに、支援を行うための体制の整備に努めるものとする。

2 市は、要配慮者の協力を得て、その支援を行うために必要な情報の収集及び把握に努めるものとする。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

十日町市防災基本条例

平成27年12月18日 条例第48号

(平成28年4月1日施行)