○十日町市スキー場特殊索道運転取扱細則
平成19年12月28日
訓令第36号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 係員(第4条―第8条)
第3章 運転(第9条―第32条)
第4章 事故の処理(第33条―第35条)
第5章 その他(第36条・第37条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この訓令は、十日町市スキー場スキーリフト施設安全管理規程(平成18年十日町市訓令第19号)第14条の規定に基づき、単線固定循環式特殊索道(以下「索道」という。)の安全な運転を行うに必要な取扱いを定めることにより、その使命の達成を図ることを目的とする。
(適用範囲等)
第2条 この訓令を適用する索道は別紙の施設とする。
2 索道の運転及び旅客の取扱いに関係ある業務に従事する者は、その取扱いについて、この訓令に定めるもののほか、関係する法令、条例、規程等を忠実に遵守しなければならない。
(運行の管理等)
第3条 索道技術管理者は、安全統括管理者のもと、索道の運行の管理、索道施設の保守の管理その他の技術上の事項に関する業務を統括する。
2 索道技術管理者は、あらかじめ係員の勤務配置、連絡方法、作業順序、作業方法等を策定し、関係者に周知しなければならない。
3 索道技術管理員(以下「索道主任」という。)は、索道技術管理者の指揮のもと、索道の運行の管理、索道施設の保守の管理その他の技術上の事項に関する業務を行う。
第2章 係員
(安全の確保)
第4条 係員は、索道の運転にあたり、知識及び技能並びに関係設備を総合的に活用して、安全の確保に努めなければならない。
(知識、技能の保持)
第5条 係員は、索道を安全に運転するための必要な知識及び技能を保持しなければならない。
(係員に対する指導、監督)
第6条 索道技術管理者及び索道主任は、係員に対し、索道の安全運転及び乗客の救助に必要な教育及び訓練等を実施しなければならない。
2 前項の職にある者は、係員に対し、索道の運転中又はそれ以外のときでも随時運転上必要な指示を与える等、適切な指導、監督をしなければならない。
(心身異常の場合の処置)
第7条 前条の職にある者は、係員の心身の状態を見て、その知識及び技能が十分に発揮できないと認められるときは、運転の安全に関する職務に従事させてはならない。
2 係員は、心身の状態によって、その知識及び技能を発揮できない状態にあるときは、その旨申し出なければならない。
(職場離脱の禁止等)
第8条 係員は、索道の運転中に無断で所定の勤務場所を離れてはならない。
2 係員は、所定の勤務場所をやむを得ない理由により離れるときは、索道主任の許可を得て、代務者との必要な引き継ぎを相互で確認し、勤務を交替しなければならない。
3 係員は、勤務を交替するときは、運転に関する必要事項を代務者と相互に確認しなければならない。
第3章 運転
(相互連絡等)
第9条 係員は、運転室、停留場、監視所間の相互連絡は、専用電話又は無線電話等により、緊密に行わなければならない。
(運転開始及び出発合図)
第10条 運転係は、関係箇所と連絡のうえ、安全を確認し、出発合図を行った後、索道の運転を開始しなければならない。
(運転禁止)
第11条 運転係は、索道施設の故障等により運転に支障をきたすおそれがあると判断したとき又は他の係員が所定の配置についていないときは、索道を運転してはならない。
(営業運転前の試運転)
第12条 係員は、1日1回営業運転開始前に、起点から終点までの間の試運転を行い、索道の運転に支障がないことを確認しなければならない。
2 索条等に着雪、着氷があるときは、別に定める要領によるものとする。
(運転速度及び搬器出発間隔)
第13条 この訓令を適用する索道の運転速度及び搬器出発間隔は、別紙のとおりとする。
(運送制限)
第14条 係員は、当該索道の構造に適合しない旅客を乗車させてはならない。ただし、索道技術管理者が乗降及び救助における安全に支障がないと認めた者は乗車できることとし、その対象者は次のとおりとする。
(1) 当スキー場の従業員
(2) 大会、イベント等関係者
(3) 他社の索道従業員
(4) その他安全運行に支障のない者(緊急の場合に限る。)
(乗車人員)
第15条 この訓令を適用する索道の搬器最大乗車人員は別紙のとおりとし、これを超えて乗車させてはならない。
2 係員は、搬器最大乗車人員未満を乗車させるときは、搬器のバランスを考慮して乗車させなければならない。
(旅客の安全確認)
第16条 係員は、旅客が乗車又は降車するときは、安全確認及び安全輸送に努めなければならない。
(乗降に不安のある旅客が乗車した場合の対応)
第17条 乗車側の係員は、乗り場において降車に不安のある旅客が乗車したときは、速やかに降車側の係員に連絡しなければならない。
2 降車側の係員は、乗車側の係員より連絡があったときは、降車に不安のある旅客に十分注意して、降車させなければならない。ただし、運転速度減速装置を有する索道にあっては、減速等の措置を講じなければならない。
(下り線乗車の取扱い)
第18条 係員は、別紙の下り線乗車の有無欄で指定した索道以外は、下り線に旅客を乗車させてはならない。ただし、緊急やむを得ず別紙に掲げた索道以外の下り線乗車が生じた場合は、索道技術管理者の許可を得た後に乗車させなければならない。
2 索道主任は、下り線に旅客を乗車させるときは、速やかに所定の係員へ連絡を行い、体制を整えるとともに、十分な旅客の安全を確認しなければならない。
(逆転運転の禁止)
第19条 運転係は、索道を逆転運転してはならない。ただし、点検等でやむを得ない場合及び保安設備が作動し搬器を移動する必要が生じた場合は、索道技術管理者の許可を得たのちに、線路中の安全を確認して、逆転運転をすることができる。
(監視)
第20条 係員は、索道の運行状況、乗客の状態及び環境の変化等に注意し、危険のおそれのあるときは、直ちに減速又は停止の措置を講じなければならない。
(気象情報の収集)
第21条 索道技術管理者は、事前に気象情報の収集に努め、得た気象情報を速やかに関係者に連絡しなければならない。
(異常気象時等の措置)
第22条 索道主任は、気象状態が次の各号のいずれかに該当し、異常気象と判断され、索道の通常運転に影響があると思われるときは、注意運転、警戒運転、運転停止等を行わなければならない。
(1) 風速計の表示が別紙の異常気象時の風速の欄に掲げる風速に該当する場合
(2) 風雪、強風、大雪、雷等により、通常運転が困難と判断された場合
(3) 当該地方に、風雪、強風、大雪、雷の各注意報が発表されている場合
(4) その他、当索道に何らかの影響が生じると判断される場合
(異常気象時の運転方法)
第23条 異常気象時の運転方法は、次のとおりとする。
(1) 注意運転……線路全体の状況を確認しながら行う(運転速度減速装置を設けている索道では、必要に応じ適宜速度の選択を行う)運転の方法
(2) 警戒運転……線路全体の状況を確認しながら、いつ何どきでも停止できる体制下で行う(運転速度減速装置を設けている索道では、運転速度を別紙の減速速度にして行う)運転の方法
(注意運転等の範囲)
第24条 前条の運転方法は、次の場合に適合する。
(1) 注意運転……風速計の表示が別紙の注意運転を行う際の風速欄に掲げる風速に該当する場合及び気象状況の変化等によって係員が必要と判断した場合
(2) 警戒運転……風速計の表示が別紙の警戒運転を行う際の風速欄に掲げる風速に該当する場合及び気象状況の変化によって係員が通常運転又は注意運転が困難な状況になったと判断した場合
(異常気象時における運転停止)
第25条 風速計の表示が別紙の運転停止の風速の欄に掲げる風速に該当したときは、速やかに索道の運転を停止しなければならない。
2 係員は、注意運転中又は警戒運転中であっても、安全運行を継続することが難しいと判断したときは、索道の運転を停止させなければならない。
(異常気象時における運転停止等の報告)
第26条 係員は、異常気象による注意運転、警戒運転又は運転停止を行ったときは、速やかに索道主任に報告しなければならない。
2 索道主任は、係員より前項の報告があったときは、索道技術管理者に報告するとともに、乗客への運転状況及び係員の指示に従うことの周知並びにこれから乗車しようとしている旅客への対応等を行わなければならない。
(異常気象に関連する正常運転への復帰)
第27条 異常気象による注意運転、警戒運転及び運転停止において、気象状況が回復又は回復に向かっていることにより正常運転に復帰させようとするときは、索道施設に異常がないことを確認したうえで、索道主任の判断により、正常運転に復帰するものとする。
2 索道主任は、正常運転に復帰させたときは、速やかに索道技術管理者に報告しなければならない。
(非常停止)
第28条 係員は、索道の運転又は旅客に危険を感じたときは、速やかに非常停止しなければならない。
2 係員は、索道を非常停止させたときは、必要に応じ、索道主任に報告しなければならない。
3 係員は、索道を非常停止させたときは、その原因を確かめて排除し、かつ安全を確認して、運転再開を要請しなければならない。
4 運転係は、運転再開にあたっては、関係箇所と連絡のうえ、索道の運転を開始しなければならない。
(減速運転)
第29条 係員は、別紙で指定する索道については、索道の運転中、次の各号のいずれかの状況が生じた場合は、直ちに運転速度を別紙の減速時の速度の欄に掲げる速度に減速しなければならない。
(1) 旅客が乗降の際、その動作が運転中の速度では不安と判断されるとき。
(2) 旅客より減速を要請されたとき。
(3) 搬器から降車した旅客が降り場に滞留したとき。
(4) 別紙に掲げた旅客の態様に該当するとき。
(5) その他、係員が必要と判断したとき。
2 係員は、減速運転を終了し、通常運転に復帰させる場合は、安全を確認した後に復帰させなければならない。
(運転終了及び停止)
第30条 運転係は、関係箇所と連絡のうえ、所定の時刻に索道の営業運転を終了しなければならない。
2 運転係は、旅客が皆無のときは、関係箇所と連絡のうえ、索道の営業運転を停止することができる。
3 前項の場合の運転再開にあたっては、運転係は関係箇所と連絡のうえ、索道の運転を開始しなければならない。
(運転状況の記録)
第31条 索道主任は、索道の運転状況を別に定める様式により記録しなければならない。
(照明)
第32条 係員は、別紙で指定する索道であって、運転が夜間等におよぶときは、必要に応じて照明設備等を点灯させなければならない。
第4章 事故の処理
(事故等発生時の処置)
第33条 運転事故及びインシデント等(以下「事故等」という。)が発生したときは、係員は直ちに運転を停止させ、旅客の安全を最優先とした必要な措置を講じるとともに、索道主任に報告しなければならない。
2 索道主任は、安全統括管理者及び索道技術管理者へ速やかに報告しなければならない。
3 安全統括管理者又は索道技術管理者は、係員に対して状況に応じた適切な指示を行うとともに、全力をあげて事故等の処理にあたらなければならない。
4 安全統括管理者又は索道技術管理者は、必要に応じて、北陸信越運輸局及び十日町警察署等の関係機関に事故等の概要を速報しなければならない。
5 索道技術管理者は、必要に応じ、事故等の目撃者より状況を聞き、かつ現場の保存及び現場の状況を写真等で記録しなければならない。
(予備原動機の運転)
第34条 索道技術管理者は、別紙で指定する索道において、事故等及び停電、故障等により、主原動機による運転が不可能と判断された場合は、索道主任に予備原動機による運転を指示しなければならない。
2 運転係は、予備原動機による運転を行う場合は、関係箇所にその旨の周知徹底を図り、安全を確認した後に運転しなければならない。
3 予備原動機の運転は、別に定める要領によるものとする。
(乗客の救助)
第35条 索道技術管理者は、索道の運転が事故等及び停電、故障等により、主原動機及び予備原動機による運転が不能となり、長時間にわたって運転再開ができないと判断される場合及びその他の事由により乗客を救助しなければならないと判断したときは、速やかに索道主任に乗客の救助を指示しなければならない。
2 索道主任は、索道技術管理者の指示により、別に定める要領に基づき、安全かつ迅速に旅客を救助しなければならない。
3 救助作業中は、主原動機及び予備原動機による運転を行ってはならない。
第5章 その他
(掲示等)
第36条 安全統括管理者は、停留場における安全かつ円滑な乗降及び停留場間における安全な運送を確保するために、旅客が遵守すべき事項及び運行時間等を、旅客に見やすいように掲示しなければならない。
(その他)
第37条 この訓令に定めるもののほか、特殊索道の運転に関し必要な事項は、別に定める。
附則
この訓令は、平成19年12月28日から施行する。
別紙(第2条、第13条、第15条、第18条、第22条、第23条、第24条、第25条、第29条、第32条、第34条関係)
適用索道仕様
施設名 | 十日町市松代ファミリースキー場 | 松之山温泉スキー場 | ||||||
索道の名称 | 千年ペアリフト | 第2ペアリフト | 第1リフト | 第2ロングリフト | ||||
索道の方式 | 単線固定循環式特殊索道 | 単線固定循環式特殊索道 | 単線固定循環式特殊索道 | 単線固定循環式特殊索道 | ||||
利用の形態 | スキー等をしようとする旅客 | スキー等をしようとする旅客 | スキー等をしようとする旅客 | スキー等をしようとする旅客 | ||||
旅客の態様 | スキー等滑走具を装着及び徒歩(スキー等滑走具を携行) | スキー等滑走具を装着及び徒歩(スキー等滑走具を携行) | スキー等滑走具を装着及び徒歩(スキー等滑走具を携行) | スキー等滑走具を装着及び徒歩(スキー等滑走具を携行) | ||||
運転速度 | 最高運転速度 | 冬季用 | 2.0m/s | 2.0m/s | 1.6m/s | 2.3m/s | ||
減速時の速度 | 冬季用 | 1.3m/s | 1.3m/s |
| 1.3m/s | |||
乗降時の速度 | 冬季用 | 滑走具装着 | 2.0m/s | 2.0m/s | 1.6m/s | 2.3m/s | ||
滑走具携行 | 1.6m/s | 1.6m/s | 1.6m/s | 1.6m/s | ||||
その他 |
|
|
|
| ||||
乗車用補助装置 |
|
|
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| ||||
予備原動機による運転速度 |
|
|
| 0.6m/s | ||||
搬器間隔 | 冬季用 | 12.0m | 12.0m | 12.0m | 18.4m | |||
出発間隔 | 冬季用 | 6.0秒 | 6.0秒 | 7.5秒 | 8.0秒 | |||
搬器 | 最大乗車人員 | 2人乗り | 2人乗り | 2人乗り | 2人乗り | |||
救助装置 | 配置位置 | 山麓停留場と山頂停留場 | 山麓停留場と山頂停留場 | 山麓停留場と山頂停留場 | 山麓停留場と山頂停留場 | |||
照明設備の有無 | 有 | 有 | 無 | 無 | ||||
下り線乗車の有無 | 無 | 無 | 無 | 無 | ||||
異常気象時の風速 | 注意運転を行う際の風速 | 12m/sから14m/s | 12m/sから14m/s | 10m/sから11m/s | 10m/sから14m/s | |||
警戒運転を行う際の風速 | 15m/sから17m/s | 15m/sから17m/s | 12m/sから14m/s | 15m/sから17m/s | ||||
運転停止の風速 | 18m/s以上5秒間継続 | 18m/s以上5秒間継続 | 15m/s以上5秒間継続 | 18m/s以上5秒間継続 |