○十日町市準用河川に係る河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例施行規則

平成25年3月28日

規則第18号

(ダムの構造計算)

第2条 ダムの堤体及び基礎地盤(これと堤体との接合部を含む。次項において同じ。)に関する構造計算は、ダムの非越流部の直上流部における水位が次に掲げる場合及びダムの危険が予想される場合における荷重を採用して行うものとする。

(1) 常時満水位である場合

(2) サーチャージ水位である場合

(3) 設計洪水位である場合

2 フィルダムの堤体及び基礎地盤に関する構造計算は、前項の規定によるほか、ダムの非越流部の直上流部における水位が常時満水位以下で、かつ、水位を急速に低下させる場合における荷重を採用して行うものとする。

(ダムの構造計算に用いる設計震度)

第3条 ダムの構造計算に用いる設計震度は、ダムの種類及び地域の区分に応じ、次の表に掲げる値以上の値で当該ダムの実情に応じて定める値とする。

ダムの種類

地域の区分

強震帯地域

中震帯地域

弱震帯地域

フィルダム

ダムの堤体がおおむね均一の材料によるもの

0.15

0.15

0.12

その他のもの

0.15

0.12

0.10

2 ダムの非越流部の直上流部における水位がサーチャージ水位である場合は、第5条第2項の場合を除き、ダムの構造計算に用いる設計震度は、前項の規定により定めた値の2分の1の値とすることができる。

3 第1項の表に掲げる強震帯地域、中震帯地域及び弱震帯地域は、国土交通大臣が別に定めるものとする。

(ダムの堤体の自重)

第4条 条例第6条のダムの堤体の自重は、ダムの堤体の材料の単位体積重量を基礎として計算するものとする。

(貯留水による静水圧の力)

第5条 条例第6条の貯留水による静水圧の力は、ダムの堤体と貯留水との接触面に対して垂直に作用するものとし、次の式によって計算するものとする。

P=W0h0

〔この式において、P、W0及びh0は、それぞれ次の数値を表すものとする。

P 貯留水による静水圧の力(単位 1平方メートルにつき重量トン)

W0 水の単位体積重量(単位 1立方メートルにつき重量トン)

h0 次の表の中欄に掲げる区分に応じ、同表の右欄に掲げる水位からダムの堤体と貯留水との接触面上の静水圧の力を求めようとする点までの水深(単位 メートル)

貯水池の水位

ダムの非越流部の直上流部における波浪を考慮した水位(単位 メートル)

1

ダムの非越流部の直上流部における水位が常時満水位である場合

常時満水位に風による波浪の貯水池の水面からの高さ及び地震による波浪の貯水池の水面からの高さを加えた水位

2

ダムの非越流部の直上流部における水位がサーチャージ水位である場合

サーチャージ水位に風による波浪の貯水池の水面からの高さ及び地震による波浪の貯水池の水面からの高さの2分の1を加えた水位

3

ダムの非越流部の直上流部における水位が設計洪水位である場合

設計洪水位に風による波浪の貯水池の水面からの高さを加えた水位

2 条例第5条第1項及び前項の地震による波浪の貯水池の水面からの高さは、第3条第1項の規定により定めた設計震度の値を用いて計算するものとする。

(地震時におけるダムの堤体の慣性力)

第6条 条例第6条の地震時におけるダムの堤体の慣性力は、ダムの堤体に水平方向に作用するものとし、次の式によって計算するものとする。

I=WKd

〔この式において、I、W及びKdは、それぞれ次の数値を表すものとする。

I 地震時におけるダムの堤体の慣性力(単位 1立方メートルにつき重量トン)

W ダムの堤体の自重(単位 1立方メートルにつき重量トン)

Kd 第3条第1項又は第2項の規定により定めた設計震度〕

(フィルダムの安定性及び堤体材料)

第7条 フィルダムは、第2条第1項及び第2項に規定する場合において、ダムの堤体の材料の性質及び基礎地盤の状況を考慮し、ダムの堤体の内部、ダムの堤体と基礎地盤との接合部及びその付近における滑りに対し、必要な滑り抵抗力を有するものとする。

2 前項の滑り抵抗力は、次のアの式によって計算するものとし、かつ、次のイの式を満たすものでなければならない。

ア Rs=Σ{(N-U)tanφ+Cl1

イ Rs≧1.2∑T

〔これらの式において、Rs、N、U、φ、C、l1及びTは、それぞれ次の数値を表すものとする。

Rs 単位幅当たりの滑り抵抗力(単位 1メートルにつき重量トン)

N 円形滑り面上の各分割部分に作用する荷重の単位幅当たりの垂直分力(単位 1メートルにつき重量トン)

U 円形滑り面上の各分割部分に作用する荷重の単位幅当たりの間げき圧(単位 1メートルにつき重量トン)

φ 円形滑り面上の各分割部分の材料の内部摩擦角(単位 度)

C 円形滑り面上の各分割部分の材料の粘着力(単位 1平方メートルにつき重量トン)

l1 円形滑り面上の各分割部分の長さ(単位 メートル)

T 円形滑り面上の各分割部分に作用する荷重の単位幅当たりの接線分力(単位 1メートルにつき重量トン)

3 フィルダムの堤体は、第2条第1項に規定する場合において、浸潤線がダムの堤体の下流側の法面と交わらない構造とするものとする。

4 フィルダムのしゃ水壁は、次に定めるところによるものとする。

(1) しゃ水壁の材料は、土質材料その他不透水性のものであること。

(2) しゃ水壁の高さは、条例第5条の規定による値以上であること。

(3) しゃ水壁及びこれと基礎地盤との接合部は、貫孔作用が生じないものであること。

5 基礎地盤から堤頂までの高さが30メートル以上で、かつ、その堤体がおおむね均一の材料によるフィルダムの構造は、第1項及び第3項の規定によるほか、堤体の材料及び設計等について類似のダムに用いられた適切な工学試験又は計算等に基づき安全の確認されたものとする。

6 フィルダムには、ダムの堤体の点検、修理等のため貯水池の水位を低下させることができる放流設備を設けるものとする。

(ダムのゲートに作用する荷重)

第8条 条例第10条に規定するダムのゲートに作用する荷重のうち、ゲートの自重、貯留水による静水圧の力及び地震時におけるゲートの慣性力については、第4条から第6条までの規定を準用する。この場合において、これらの規定中「ダムの堤体」とあるのは、「ダムのゲート」と読み替えるものとする。

2 貯水池内に堆積する泥土による力は、ダムのゲートと貯水池内に堆積する泥土との接触面において鉛直方向及び水平方向に作用するものとし、鉛直方向に作用する力は堆積する泥土の水中における単位体積重量を基礎として計算するものとし、水平方向に作用する力は次の式によって計算するものとする。

Pe=CeW1d

〔この式において、Pe、Ce、W1及びdは、それぞれ次の数値を表すものとする。

Pe 泥土による水平力(単位 1平方メートルにつき重量トン)

Ce 適切な工学試験の結果又は類似のダムの構造計算に用いられた値に基づき定める泥圧係数

W1 堆積する泥土の水中における単位体積重量(単位 1立方メートルにつき重量トン)

d 貯水池内に堆積すると予想される泥土面からダムのゲートと堆積する泥土との接触面上の泥土による水平力を求めようとする点までの深さ(単位 メートル)

3 地震時における貯留水による動水圧の力は、ダムのゲートと貯留水との接触面に対して垂直に作用するものとし、適切な工学試験又は類似のダムの構造計算に用いられた方法に基づき定める場合を除き、次の式によって計算するものとする。

Pd=0.875W0Kd√(H1h1)

〔この式において、Pd、W0、Kd、H1及びh1は、それぞれ次の数値を表すものとする。

Pd 地震時における貯留水による動水圧の力(単位 1平方メートルにつき重量トン)

W0 水の単位体積重量(単位 1立方メートルにつき重量トン)

Kd 第3条第1項又は第2項の規定により定めた設計震度

H1 ダムの非越流部の直上流部における水位から基礎地盤までの水深(単位 メートル)

h1 ダムの非越流部の直上流部における水位からダムのゲートと貯留水との接触面上の動水圧を求めようとする点までの水深(単位 メートル)

4 ダムのゲートに作用する荷重としては、次の表の中欄に掲げる区分に応じ、同表の右欄に掲げるものを採用するものとする。

区分

荷重

1

地震時以外の時

W、P、Pe、Pi、P0

2

地震時

W、P、Pe、Pi、I、Pd

備考

この表において、W、P、Pe、Pi、I、Pd及びP0は、それぞれ次の荷重を表すものとする。

W ゲートの自重

P 貯留水による静水圧の力

Pe 貯水池内に堆積する泥土による力

Pi 貯留水の氷結時における力

I 地震時におけるゲートの慣性力

Pd 地震時における貯留水による動水圧の力

P0 ゲートの開閉によって生ずる力

5 前項の表において採用する荷重によりダムのゲートに生ずる応力は、適切な工学試験の結果に基づき定める許容応力を超えてはならないものとする。

(可動ぜきの可動部のゲートに作用する荷重)

第9条 第5条第6条及び前条第3項の規定は、可動ぜきの可動部のゲートに作用する荷重について準用する。この場合において、第5条第1項及び第6条中「ダムの堤体」とあり、並びに前条第3項中「ダムのゲート」とあるのは、「可動ぜきの可動部のゲート」と、第5条第2項中「第3条第1項の規定により定めた設計震度」とあり、並びに第6条及び前条第3項中「第3条第1項又は第2項の規定により定めた設計震度」とあるのは、「第9条第2項に規定する設計震度」と、第5条第1項中「次の表の中欄に掲げる区分に応じ、同表の右欄に掲げる水位」とあるのは、「計画たん水位に風による波浪の影響等を勘案し必要と認められる高さを加えた水位」と、同条第2項中「条例第5条第1項及び前項」とあるのは、「前項」と、前条第3項中「ダム」とあるのは、「可動ぜき」と、「ダムの非越流部の直上流部における水位」とあるのは、「計画たん水位」と読み替えるものとする。

2 可動ぜきの可動部のゲートの構造計算に用いる設計震度は、第3条第3項の強震帯地域、中震帯地域及び弱震帯地域の区分に応じ、それぞれ0.12、0.12及び0.10とする。

3 可動ぜきの可動部のゲートについては、第1項に規定するもののほか、必要に応じ、洪水時又は高潮時における動水圧その他のゲートに作用する荷重を計算するものとする。

(可動ぜきの可動部が起伏式である場合におけるゲートの構造)

第10条 可動ぜきの可動部が起伏式である場合におけるゲート(潮止めをその設置の目的に含むせきのゲートを除く。)の構造の基準は、前条に規定するもののほか、次に定めるところによるものとする。

(1) ゲートの起立時における上端の高さは、計画横断形に係る低水路の河床の高さと計画高水位との中間位以下とすること。ただし、ゲートを洪水時においても土砂、竹木その他の流下物によって倒伏が妨げられない構造とするとき、又は治水上の機能の確保のため適切と認められる措置を講ずるときは、ゲートの起立時における上端の高さを堤内地盤高又は計画高水位のうちいずれか低い方の高さ以下とすることができる。

(2) ゲートの直高は、3メートル以下とすること。ただし、ゲートを洪水時においても土砂、竹木その他の流下物によって倒伏が妨げられない構造とするときは、この限りでない。

この規則は、平成25年4月1日から施行する。

十日町市準用河川に係る河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例施行規則

平成25年3月28日 規則第18号

(平成25年4月1日施行)