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十日町市の中心部、本町通りからコモ通り、十日町駅周辺を歩いていると、次々と石の彫刻に出会う。「いらっしゃい」「おかえり」「遊んでいきなよ」。駅前で降り立った人々を出迎え、下校する高校生を見送り、放課後の子どもたちといっしょに遊ぶ彫刻たち。人々とふれあい、石彫はさまざまな表情を見せる。
商店街の人々は、ほこりがたまらないようにとふきんをかけ、雪が降ればワラボウシをかぶせる。まるで言葉を発し、ぬくもりをもつかのように人々に親しまれる彫刻たち。街の一員として、このまちの暮らしにすっかりとけこんでいる。
この彫刻たちは、十日町石彫シンポジウムで創られた石材彫刻。「芸術文化のかおるまちづくり」の1つとして十日町市中心部のストリートを石彫プロムナードにしようと始められた活動だ。
制作期間の約3週間、作家たちは十日町市で寝食を共にし、市民が見守る中で石材彫刻の制作に挑む。刻々と形づくられ、生命を吹き込まれていく作品たち。石と向き合いひたすらノミをふるう彫刻家。そしてその姿を見つめ励ます人々。ときには石について語り、芸術について語り、人間について、環境について語り合う。市民と作り手の心が響きあい、石の彫刻に新たな魂が吹きこまれる。こうした出会いや交流を通して、人々の心に文化を興す火種が生まれ、その火種が十日町市をさらに豊かなまちに育てていく。石彫は現在59体。100体を超えるとき、このまちはきっと、新たなステージを迎える。
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「Sanctuary」 作・田村晃夫 十日町駅西口広場
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「朔北の人」 作・藤巻秀正 十日町駅西口広場
北国の過酷な自然条件の中で暮らす親子の温かい絆が伝わってくる。
「BACK STAGE#5」 作・木裳耕二 本町3丁目
でこぼこ、さらさら、つるつる・・・いろんな質感を楽しんで。
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