とおかまち 10の道を歩く−散歩みち−
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歴史を歩く/米と雪と織物のまち、十日町市。この地の気候が米を育て、雪が織物を生みだした。風土と人が織りなす時の流れは、文化となって成熟し、次の世代へと大切に受け継がれてゆく。
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十日町おおまつり 祭りの歓び/五穀豊穣への祈り/米づくりの盛んな十日町には、稲の成長に合わせ、四季折々にさまざまな祭りが行われてきました。その年の五穀豊穣と無病息災を願い、実りに感謝する。その人々の祈りは夏祭りや小正月行事に姿を変え、数百年の時を超えて、今も受け継がれています。


収穫の歓び

稲穂が実り、宵に涼しい風が吹くころ、まちやムラでは、収穫への感謝の祭りが行われます。それは刈り入れを前にほっと一息つく、人々のつかの間の休みでもありました。

十日町おおまつり
お祝いオイヨイ!、お祝いオイヨイ!」のかけ声とともに、闇の奥から現れる明石万灯の錦絵巻。なじみ深いメロディにのって踊り出す人々の波。初秋の頃、十日町市の目抜き通りは十日町おおまつりの熱気の渦に包まれます。
信濃川によって早くから拓かれた十日町市には、数百年の昔から、五穀豊穣を願うさまざまな行事が伝えられてきました。十日町おおまつりも、秋の到来を告げ、収穫を祝う歓びの祭り。総鎮守諏訪神社の秋季大祭が大きく発展したもので、毎年8月25日から27日まで3日間開催されます。
豊作を願う祭りは、それぞれの時代において新たな想いを託され、祭りの文化として成熟しました。色とりどりの明石万灯に描かれた絵は、今を生きる人々が何を想い、何を願っているかを語りかけています。
祭りの最後を飾るのは八角神輿。昼に諏訪神社を出た神輿は市内を練り歩き、人々の歓びと願いをのせて、真夜中に再び神社へと戻ります。鳥居に向かう坂道では、神輿を入れまいとする者と神輿の担ぎ手が勇壮な揉み合いを演じ、祭りはついにフィナーレへ。向かっては戻り、向かっては戻りと2時間以上に及ぶ熱く激しいぶつかり合いは「荒神輿」との異名をとり、見物客の目を捕らえて離しません。
無事に鳥居をくぐった後は、世話人、担ぎ手、見物客一同の盛大な三本締めです。「ヨーオッ!」のかけ声とともに、闇に高く響く手拍子と歓声。確かな未来を願い、すべての心が一つに溶け合うこの瞬間こそ、このまちの財産です。


犬伏裸祭り
毎年8月17日、犬伏集落では、松代総鎮守松苧神社の裸押合祭りが行われます。祭りの宵、集落の男たちは渋海川で体を清めたあと、神輿を担いで集落内を練り歩き、神社でお祓いを受けます。渋海川はこの地域一帯の田を潤す命の水。川で体を清め、五穀豊穣を願った先人たちの祈りが伝わってきます。

犬伏裸祭り/8月18日が松苧神社秋の祭礼、17日の宵に渋海川で身を清めた後、裸祭りが行われる。犬伏裸祭り
8月18日が松苧神社秋の祭礼、17日の宵に渋海川で身を清めた後、裸祭りが行われる。

赤倉神楽
カッと見開かれた目に大きな口。囃子方の笛、太鼓に合わせ、真っ赤な獅子がところ狭しと踊り出します。赤倉神楽は、十日町赤倉の鎮守十二社の祭礼で奉納される神楽です。そのルーツは稲の豊作を祝う感謝の舞い。宵祭りである9月の第1土曜日に行われます。

赤倉神楽/十日町赤倉集落に代々受け継がれてきた「赤倉神楽」は、市の無形文化財に指定されている。9月第1土曜の夜には鎮守様の境内で奉納上演される。赤倉神楽
十日町赤倉集落に代々受け継がれてきた「赤倉神楽」は、市の無形文化財に指定されている。9月第1土曜の夜には鎮守様の境内で奉納上演される。

豊穣の祈り

雪深まる1月の15日前後。十日町市では小正月の予祝行事が行われます。予祝とは年の初めに秋の実りをまね、その年の豊作を願う行事のこと。集落ごとに呼び名や風習を変え、親から子へと伝えられてきました。

塞の神まつり
小正月15日は塞の神のお祭り。正月に飾ったシメ縄や門松を燃やし、その年の豊作を願い、無病息災を祈ります。同じ予祝行事でも各集落で「ドウラクジン」「バイトウ」などと呼び名を変え、個性豊かな風習が受け継がれてきました。
「バイトウ」は大白倉集落に古くから伝わる小正月行事。1月14日に集落の男たちが集まり、山から切り出したケヤキの大枝と前の年に刈った稲ワラを一日がかりで塔に作り上げます。塔は、中に50人は入れる大きなもの。中ではムラ中の老若男女に酒や甘酒、豚汁などがふるまわれ、この地に伝わる豊穣の祝い唄「天神囃子」が歌われます。午後9時。宴会がお開きとなり、いよいよバイトウに火が放たれます。瞬く間に巨大な火柱となって燃え上がるワラの塔。その燃え方でその年の稲の出来を占い、五穀豊穣と無病息災を祈ります。


バイトウバイトウ

鳥追い/鳥追いは秋に害鳥が稲を荒さないようにと願う予祝行事。塞の神まつりの前夜、子どもたちは拍子木を打ち、唄を歌って、鳥を追い払うまねをする。鳥追い
鳥追いは秋に害鳥が稲を荒さないようにと願う予祝行事。塞の神まつりの前夜、子どもたちは拍子木を打ち、唄を歌って、鳥を追い払うまねをする。


■トピック■ すみ塗り
すみ塗り 日本三大薬湯の一つ、松之山温泉では、約600年前から「すみ塗り」と呼ばれるユニークな塞の神まつりが行われています。1月15日、塞の神の火が下火になるころ、ホラ貝の音を合図に人々は我先にとワラすみをすくいとり、雪と混ぜ合わせてすみを作ります。「おめでとうございます」とあいさつをかわし、だれ彼かまわず互いにすみを塗りつけて歩く人々。瞬く間にみんなの顔は真っ黒になり、声を聞かねばだれだか分からなくなるほどに。否応なく温泉で洗わねばならぬ、温泉地ならではの奇祭です。

サンヨ
雪解け間近の3月3日、「サンヨ!サンヨ!」のかけ声とともに、川原町の来迎寺境内は若者たちの熱気に包まれます。「サンヨ」は多聞天(毘沙門天)裸押合祭りの俗称。住職による祈願法要のあと、境内では集まった参拝者に向かって年男から縁起物の福札が撒かれます。これが撒与(サンヨ)。若者たちは「サンヨ!」と叫びながら激しく揉み合い、われ先にと福札を奪い合います。
かつて、五穀豊穣、商売繁盛を祈願したこの祭りは、水野町の聖衆院境内で行なわれていました。時代とともに、若者たちが押し合いながら福札を奪い合う祭りへと姿を変え、来迎寺境内へと会場を移したのです。熱気払いに行った水行から、次第に裸になるものが多くなり、いつしか祭りは裸押合祭りへと変化していきました。
この祭りが終わると、遅い春の到来。雪の中から土が顔を見せ、いよいよ田植えの準備が始まります。

サンヨサンヨ



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