「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」とは

更新日:2021年04月01日

越後妻有地域(新潟県十日町市・津南町)を舞台に3年に1回開催される世界最大級の国際芸術展「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」をご紹介します。

きっかけは「ニューにいがた里創プラン」

斜面に作られた田園の写真

アートを活用するきっかけは、新潟県の施策「ニューにいがた里創プラン」(平成6年)でした。これは、新潟県内の広域行政圏で実施する地域活性化施策に対して新潟県が支援するというものでした。
この「ニューにいがた里創プラン」のもと、当時の十日町広域行政圏(十日町市・川西町・中里村・松代町・松之山町・津南町)は第1号認定を受けます。
その後、様々な検討を経て、平成8年にアートを活用した地域活性化施策をまとめた「越後妻有アートネックレス整備構想」を策定しました。
里山や自然などの地域資源・文化などをアートによって発信し、地域の元気を取り戻すという壮大なプロジェクトは、ここからスタートしました。

越後妻有アートネックレス整備構想

大地の芸術祭シンボルマーク

越後妻有アートネックレス整備構想は、当時6市町村に分けれていた十日町広域行政圏を「アートでつなぐ」という意味を込めて名付けられました。この構想のもとで、次のような事業が行われました。

ヘビのシンボルマーク

ヘビ=神聖な生き物、守り神であり、脱皮しながら大きくなっていくヘビに合併を控えた旧6市町村を重ね、「脱皮しながら力を合せて大きくなっていこう」という願いを込めて大地の芸術祭のシンボルマークとして選ばれました。

1.越後妻有8万人のステキ発見事業

地域の自然や文化がもともともっている魅力を再発見するための写真と言葉のコンテストです。住民や旅行者等からの応募総数は3,114点にもなりました。

2.花の道事業

道路や民家の庭先などに花を植えて広域行政圏をつなぐ事業です。道路整備や公園づくり(ポケットパーク事業)などを含めた総合的なインフラ整備の推進が並行して考えられました。

3.ステージ整備事業

有名なアーティストや建築家の参画により、地域の交流拠点施設を整備する事業です。整備された越後妻有交流館キナーレ、光の館、まつだい農舞台、森の学校キョロロは、現在も大地の芸術祭の拠点施設として多くの方が訪れています。

4.大地の芸術祭

越後妻有アートネックレス整備構想の成果を3年に1回発表する場として「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は企画されました。アーティストと地域住民の協働により地域に内在する様々な価値を掘り起こし、その魅力を高め、世界に発信し、地域活性化につなげるというものです。大地の芸術祭は第1回展を平成12年に開催したのち、継続的に3年に1度開催されています。

協働による作品制作

畳に座り作業する人たちの写真

大地の芸術祭は通常の美術館と比較して次の点が異なります。

  • 作品は、住民・アーティスト・こへび隊(大地の芸術祭サポーター)が協働で制作します。
  • 作品は、里山・集落内・住宅地など、広域に展開します。

大地の芸術祭は地域活性化を目的にスタートしました。
地域住民が地域外の方と一緒に作品を制作することで、様々な交流が生まれます。
住民同士も大地の芸術祭がきっかけで話し合い、知り合い、交流が増えています。

大地の芸術祭サポーター「こへび隊」

こへび隊に属する3人の人物の写真

こへび隊とは大地の芸術祭をサポートする方々の総称で、芸術祭の運営、日々の作品メンテナンス、ツアーのガイド、除雪作業や農作業まで、さまざまな活動をサポートしています。
こへび隊は、大学生、社会人やシニア世代など、幅広い年齢層から組織されています。

こへび隊という名称が誕生する前、「自分たちが楽しいから」という理由で参加していることから、時間やお金に余裕がある人がする活動というイメージのあった「ボランティア」という言葉に代わる表現が検討されました。その結果生まれた名称が「こへび隊」です。

この名称は、次のことが由来となって誕生しました。

  • 大地の芸術祭のシンボルマーク
  • ヘビ=神聖な生き物、守り神で縁起が良い
  • 脱皮しながら6市町村が力を合わせて大きくなっていきたいという願い
  • 首都圏の学生が中心だったサポーターは、脱皮前のヘビ=「こへび」である

こへび隊のサポートは、現在も大地の芸術祭にとって必要不可欠となっています。

新しいシンボルマーク

新しい大地の芸術祭のシンボルマーク
大地の芸術祭のシンボルマークの由来の説明図

平成22年6月、大地の芸術祭のシンボルマークが完成しました。
この黄色の逆三角形は、世界中の誰でも簡単に覚えられる形で、3つの意味があります。
黄色は、周りにどんな色が配色されても合う、協調性のある色です。大地の芸術祭のイメージカラーでもあります。
これから、大地の芸術祭のシンボルとして世界に越後妻有を発信していきます。

NPO法人の設立と関連プロジェクト

テーブルの上に並べられた数々の名産品の写真

平成20年2月、大地の芸術祭のサポートや住民が誇りをもって暮らしていける地域にすることを目的に、地域内外の方から組織される団体「NPO法人越後妻有里山協働機構」が設立されました。
NPO法人設立に伴い、様々な関連プロジェクトも展開されています。

Roooots 越後妻有のリデザインプロジェクト

越後妻有地域が育んだ名産品を「越後妻有を支える根っこ=ルーツ」に見立て、地元業者と全国の若手クリエイターをマッチングし、既存の地元産品を新しいパッケージデザインに製品化するプロジェクトです。
グッドデザイン賞などの賞を受賞し、地域内外から注目を集めています。

まつだい棚田バンク

越後妻有地域に数多い棚田は、管理が難しく、担い手が不足しています。
「まつだい棚田バンク」は、そんな棚田を保全するために里親(棚田オーナー)を募集しています。

そのほか、大地の芸術祭に関連した様々な活動が行われています。

関係リンク

この記事に関するお問い合わせ先

産業観光部 文化観光課 芸術祭企画係 

所在地:〒948-0079 新潟県十日町市旭町251番地17(十日町市総合観光案内所内)
直通電話番号:025-757-2637
ファックス番号:025-757-2285

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