令和6年 市長年頭あいさつ

年頭にあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

市民の皆さまには、日ごろより市政にご理解とご協力をいただき、厚く御礼申し上げます。

さて令和5年は、3年間におよぶ新型コロナウイルス感染症対策が区切りを迎え、本格的なポストコロナ時代が始まりました。また、国内では30年以上にわたったデフレの時代が終わり、国民経済は新たな局面に差し掛かりました。一方で、気候変動は激しさを増し、当市では猛暑と渇水によりコシヒカリの1等米比率が大幅に低下するなど、農業に大きな影響をもたらしました。

このような変化を一過性のものとせず、新たなトレンドと捉えて様々な施策を講じるとともに、民間の活力や地域資源を最大限に生かしながら、地域活性化に取り組んだ年でもありました。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック後、初めての開催となった「十日町雪まつり」と「雪原カーニバルなかさと」は、メイン会場を変更し、内容を工夫しながら実施しました。また、松之山地域の「雪上キャンプ」には多くのキャンパーが訪れ、松代地域では新たに「越後まつだい“春の陣”」が開催され、全国各地のランナーが古道・松之山街道でのトレイルランを楽しみました。さらに川西地域には、信濃川と越後三山の眺望を生かした古民家再生宿泊施設がオープンするなど、当市固有の地域資源に新たな付加価値が加わることで、これまでになかった賑わいが生まれています。

安全・安心なまちづくりも着実に進んでいます。十日町看護専門学校では念願の初代卒業生を送り出し、これからの地域医療を担う人材が新たなステップを踏み出すことができました。また、十日町駅近くに整形外科クリニックが新規開業したほか、旧中条第二病院跡地には、精神科診療所が移転新築されるとともに、新たな特別養護老人ホーム建設に向けた準備が進んでいます。一方で、新たに十日町除雪センターが竣工し、12月には稲荷町踏切が開通するなど、市民生活に直結する事業が完了しました。そして、「上越魚沼地域振興快速道路 国道253号十日町道路」では、地元中学生が参加をして道路中心線の路線標識設置が行われるなど、目に見える進捗が図られています。

6月には、中里地域にきのこ工場が完成し、多くの雇用が生まれるとともに、当市のなめこ生産量は全国シェア20％を見込むなど、全国有数の産地となっています。一方で、「松之山温泉地熱バイナリー発電事業」は、民間事業者の力により、10月から安定した発電ができるようになりました。地域の皆様のご理解とご協力をいただきながら、10年以上に渡り取り組んできた発電事業が実を結んだことは、大変喜ばしいことです。

そして今年は、ポストコロナに向けて、これまで準備してきたことが実を結ぶ年になるものと期待しています。

7月13日から11月10日の87日間にかけて開催する「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024」では、令和の時代に相応しい新たな芸術祭の形を示し、国内外の多くの人に越後妻有の魅力を体感していただけるよう準備を進めています。

これまで様々な角度から協議を重ねてきた「中学校のあり方検討委員会」からは、年度末に中学校再編に関する提言をいただく予定です。これをもとに、子どもたちにとって望ましい教育環境の整備を図るとともに、未来の十日町市にとって望ましい教育の姿を実現するための方針を、しっかりと定めてまいります。

また、県立十日町病院は、平成25年から行われてきた工事が完了を迎え、いよいよ全面オープンとなります。川西診療所は、建て替えに向けた準備も進んでおり、地域医療と福祉のさらなる充実を図ってまいります。

民間事業者による新たな事業展開も加速しています。2月には、魚沼地区の4つのJAが合併して「JA魚沼」が誕生し、魚沼ブランドを生かした新たな展開により、地域農業が大きな発展を遂げることが期待されます。また、木質バイオマス由来の再生可能エネルギーを創出する「十日町バイオマス発電所」の開所が予定されており、脱炭素と森林資源の活用が進むことになります。さらに、松之山温泉では、国の支援を受けての大規模な宿泊施設のリニューアルが進んでいるほか、市内で新たなホテルの建設計画が進んでいます。十日町市ではこれらの民間投資の拡大を後押しし、さらなる地域活性化に繋げてまいります。

結びに、本年が皆さま一人ひとりにとりまして素晴らしい一年となりますよう心からお祈り申し上げ、新春のあいさつとします。