雪がふるしくみ

更新日:2021年04月26日

新潟県は雪の多い地域です。その中でも十日町市のある魚沼(うおぬま)地方と頸城(くびき)地方に一番多く雪が降ります。

雪が多く降るのは、つぎの3つのことが関係しています。

  1. 季節風(きせつふう):冬の北西の季節風
  2. 暖流(だんりゅう):対馬(つしま)海流が流れる日本海の海水の温度
  3. 山脈(さんみゃく):越後(えちご)山脈などの山々

次のようにして、雪が多く降るのです。

  1. 日本では、冬に大陸から北西の季節風がふきます。
  2. その季節風は日本海を渡るとき、対馬海流(つしまかいりゅう)という 暖流〈あたたかい海水〉から温泉の湯気のようにのぼる、たくさんの水蒸気〈しめった空気〉をふくみます。
  3. しめった空気は雲になり、季節風にのって高い山につきあたります。
  4. 雲は山脈上空の冷たい空気に冷やされて雪に変わり山沿いに降ります。

季節風(きせつふう)

冬になるとシベリア大陸から太平洋上の低気圧に向かって冷たい風がふきます。この風は毎年決まった季節にふくので「季節風」と呼ばれています。

この「季節風」がふく原因は、日本列島周辺の冬の気圧配置と関係があります。

日本列島から見て、西に高気圧があり東に低気圧がある気圧配置なので、冬の天気予報でよく「西高東低(せいこうとうてい)の気圧配置(きあつはいち)」と言います。

この「西高東低の気圧配置」になると、日本海側では雪がふり、太平洋側では晴れの天気になります。

暖流(だんりゅう)

日本海では暖流の「対馬海流(つしまかいりゅう)」が北に向かって流れています。

冬の対馬海流は、新潟県沖で10℃くらいの温度があります。このため、対馬海流からは、温泉の湯気のように、たくさんの水蒸気が空に昇っていきます。

季節風は海から昇ったたくさんの水蒸気をたくわえ、雲となって日本列島の中央にある山脈に向かって吹きつけます。

山脈(さんみゃく)

季節風とともに大量の水蒸気を含んだ雲は、十日町市の近くにある山のつらなり(越後山脈)にぶつかります。

その雲が風に押されて上昇すると、上空にはとても冷たい空気があり、そこで雪に変わって地上にふってきます。
この雪のふりかたは「山雪型」と呼ばれています。

これに対して、海水の温度と上空の寒気の気温差が大きいとき、海上や海岸線の平野部(里)にたくさん雪が降ります。
この雪のふりかたは「里雪型」と呼ばれています。