地域密着型地域おこし協力隊

更新日:2021年12月23日

帽子をかぶった男性が裁断する機械を使って作業をしている

十日町市UIターン情報誌「I'm home! Tokamachi」2020年8月号に掲載された記事です。
(注意)記事内の情報は撮影当時のものです。

プロフィール

俵山直人さん(30代)

保育士としての自分 × インテリア好きな自分を組み合わせた結果、海外の子供向けインテリアを取り扱う企業に就職。長年の接客業の経験を活かして、2017年5月に地域おこし協力隊に着任。卒業後は工房や農業、塗装や空間設計とマルチに働く。

真っ白な地図を渡される

俵山さんは18歳で上京。保育士関連の学校を卒業後は海外の子供向けインテリアブランドを扱う企業に就職した。十日町市に帰ることを決めたのは30歳の時。ライフステージが変わる、奥さんが出産を控えていたタイミングだった。

「当時から30歳くらいで帰るだろうなって意識があったんですよね。東京にいた時、自分より上の世代の人達が、そのくらいで戻ってて、自分もそうなるかなぁって。」

会社を辞め、ものづくりの技術を得るためにアレンジメント会社に1年在籍した後に水沢地区の地域おこし協力隊に着任した。

「真っ白な地図を渡されたんです。呆然と立ち尽くしていると『何か描け』って言われる。しょうがないので、まずは地域を回って “点” を打つところから始めました。そうすると、みんな水沢には何もねぇって言いながら、必ず『花わさび』を出してくるんですよ。」

花わさびは、家によって味が違ったそうだ。みんながみんな、自信ありげに出してくるので、詳しく聞くと奥から新聞を引っ張り出してきて、こう言ったという。

『昔は集会所を工場にして、みんなで作ってたんだぁ。』

「この話題が盛り上がるなぁって思って、花わさびで特産品作ってみるかって思い立って、地域中に声をかけていったら、3人集まってくれたんですよ。そこから栽培を始めて、味付けを地域の人達と考えて、商品にしたのが最初の仕事でしたね。」

2年目、3年目と続けるごとに関わる人は14人に増え、今年は40kgほどの花わさびを収穫できた。

「売上で言えば、やった分のお金がもらえて収支トントン。来年、再来年は収量が増えるので、まだ発展途上ですね。」

退任した今も仕事のひとつとなっているという。

仕事を生み出していく

3年目からは「自分の仕事」をつくる時間を増やしていった。俵山さんは地域で次々と壊されている古民家の材を活用できないかと考えた。

「勿体ないなぁって思ってた矢先、東京の絵描きの友人から『額』を作れないかと相談されて、長年、家を守ってきた雪囲いの板で額を作ったら、それが良くて。地域で必要ないと思われてた物が別の価値になって使われること、それを仕事にしてみることにしたんです。」

協力隊になる前の経験と技術が組み合わさり、仕事になった瞬間だった。

「協力隊の肩書きを持って、スタート出来たのは、人間関係の広がりや協力を得るのに良かった。土台となる収入とか仕事をつくる時間を持てるから、Uターンの選択肢として悪くない。帰ってくる前に『何をしたいのか』目的を持ってから着任するのは前提にあったほうが良いと思います。」

この記事に関するお問い合わせ先

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