構成文化財一覧表

更新日:2023年07月20日

 

 

 

1. 越後(えちご)アンギン及び関係資料

指定等の状況

市指定(有形民俗)

ストーリーの中の位置づけ

アンギンはカラムシなどの植物繊維を編んで作られた布で、袖なしや前当て、前掛け、袋など様々な用途に使われていた。現在、製品や製作工具が保存されているのは、全国的に見ても十日町市・津南町にほぼ限定される。

 

 

 

 

2. 越後(えちご)アンギン製作技術

指定等の状況

市登録(無形民俗)

ストーリーの中の位置づけ

アンギンの製法は、昭和36年に製作体験者からの聞き取りによって記録・復元され、現在も市民によって編み継がれている。

 

 

 

3. 馬場上(ばばがみ)遺跡出土品

指定等の状況

市指定(考古資料)

ストーリーの中の位置づけ

奈良・平安時代の集落跡から土製・石製の紡錘車(糸に撚りをかけるときに使う道具)が出土しており、古代からこの地域で機織りが行われていたことを示す。

 

 

 

4. 越後縮(えちごちぢみ)の紡織(ぼうしょく)用具及び関連資料

指定等の状況

国重文(有形民俗)

ストーリーの中の位置づけ

江戸時代に当地の特産品であった越後縮の製品をはじめ、生産・流通に関する資料を網羅した2,098点のコレクション。

 

 

 

5. 越後縮幡(えちごちぢみばた)

指定等の状況

県指定(有形民俗)

ストーリーの中の位置づけ

女性たちが機織り技術の向上や病気の平癒、家内安全などの祈願や成就の感謝をこめ、自ら織り上げた縮の布地を社寺に奉納したもの。

 

 

 

 

6. 越後縮裂(えちごちぢみぎれ)見本帳

指定等の状況

市指定(工芸品)

ストーリーの中の位置づけ

縮問屋越前屋の商品見本帳。貼り付けてある越後縮の裂には、縞、格子、小絣のほか、紅葉、花、笹、鳥などの絵絣もあり、越後縮の色柄の変遷を知ることができる。

 

 

 

7. 縮問屋(ちぢみどんや)加賀屋蕪木家(かぶらきけ)資料

指定等の状況

市指定(歴史資料)

ストーリーの中の位置づけ

越後縮の問屋の質量ともに貴重な経営資料で、越後縮の生産や流通、使用人・奉公人に関する記録。御用縮(大奥や諸大名、公卿などからの注文を受けて特別に織られた越後縮)の注文書や裂見本なども含む。

 

 

 

8. 宮本茂十郎手織(みやもともじゅうろうており)の透綾(すきや)絹縮(きぬちぢみ)裂地(きれじ)

指定等の状況

市指定(工芸品)

ストーリーの中の位置づけ

宮本茂十郎は京都西陣出身の織物技術者で、文政12年(1829)十日町に招かれ、透綾という絹縮とそれを織る高機の製法を伝授した人物だと伝えられている。このことをきっかけに、十日町は絹織物産地として歩み始めた。

 

 

 

9. 十日町織物歴代標本帳

指定等の状況

市指定(工芸品)

ストーリーの中の位置づけ

明治42年から昭和13年までの30年間に作られた2,283点の製品見本が集録されている。十日町産地における主力商品の変遷がよく分かる。

 

 

 

 

10. 十日町の積雪期(せきせつき)用具

指定等の状況

国重文(有形民俗)

ストーリーの中の位置づけ

豪雪地における衣食住関連の生活用具を中心に、生産・生業、交通・通信、運搬、娯楽、信仰・儀礼などを網羅する民具の3,868点のコレクション。

 

 

 

11. 星名家(ほしなけ)住宅雪穴

指定等の状況

国登録有形(建造物)

ストーリーの中の位置づけ

雪を一年中利用できるように保存しておく施設。主に酒造関連の冷蔵所として利用された。

 

 

 

 

12. ダイコダテ・芋穴(いもあな)(冬季の食料保存の知恵)

指定等の状況

未指定(生活文化)

ストーリーの中の位置づけ

大根(ダイコ)は代表的な越冬野菜である。生食用の大根は、玄関の近くにワラで作るダイコダテという(むろ)に入れて雪の下で保存する。寒さに弱いサツマイモや種芋は、囲炉裏のそばの穴や、屋外の横穴に保存しておいた。

 

 

 

13. へぎそば

指定等の状況

未指定(生活文化)

ストーリーの中の位置づけ

織物生産の製糸工程などで糊として使う海藻の布海苔をつなぎに使ったそば。「へぎ」という木製の容器に1口分ずつ束ねて盛りつける。

 

 

 

14. ツケナとニーナ

指定等の状況

未指定(生活文化)

ストーリーの中の位置づけ

ツケナ(野沢菜漬)は雪国の大切な保存食であり、各家庭で大量に漬け込み副食やお茶請けとして冬の間毎日のように食べる。春になる頃には発酵し酸味が増すため、塩出しして煮込みニーナ(煮菜)にした。

 

 

 

15. 星名家(ほしなけ)住宅

指定等の状況

国重文(建造物)

ストーリーの中の位置づけ

天保13年(1842)上棟の主屋のほか、6棟の蔵などから成る。柱や桁、梁が太く、明り取り窓が施された豪雪地の建築物。妻有郷随一の豪商の住居で、大地主層の暮らしを現在に伝える。

 

 

 

16. 松苧(まつお)神社本殿

指定等の状況

国重文(建造物)

ストーリーの中の位置づけ

豪雪地の山上に建つ明応6年(1497)建立の社殿。木柄が太く軒の出が少ないなど、厳しい自然の条件に耐えるよう造られている。近郷の総鎮守で「松苧大権現」と呼ばれ、機織りの神様としても信仰を集めた。また、戦国時代には武将たちが戦勝を祈願したといわれる。

 

 

 

17. 神宮寺観音堂(じんぐうじかんのんどう)・山門

指定等の状況

県指定(建造物)

ストーリーの中の位置づけ

観音堂は元明元年(1781)、山門は宝暦13年(1763)の上棟と考えられる。2つの建物は急勾配の茅葺屋根など豪雪に耐える造りになっており、これらを生み出した優れた技術集団がこの地方に存在したことを示す。

 

 

 

18. 旧室岡家住宅

指定等の状況

市指定(建造物)

ストーリーの中の位置づけ

この地域の有力な農民であった室岡家の住宅で、昭和10年(1935)の建築。前中門のついた中門造であり、豪雪地の典型的な農家建築である。

 

 

 

19. 旧村山家主屋・表門

指定等の状況

市指定(建造物)

ストーリーの中の位置づけ

松之山の旧家・村山家の旧邸宅で、豪雪地域における特別な農家建築である。

 

 

 

20. 雪囲い・雪掘り (家を雪から守る知恵)

指定等の状況

未指定(生活文化)

ストーリーの中の位置づけ

「雪囲い」は、降雪前に家や立木を板などで囲うことであり、雪の重みによる建物などの損壊を防ぐ。また、屋根の除雪作業を当地では「(ゆき)(おろ)し」といわず、「雪堀り」ともいう。屋根から下した雪は家の周りに高く積み上がるため、それを掘り起こして、家の戸口を確保するとともに次の雪を下すための場所を作る。

 

 

 

21. 豪雪に耐える建築の技術

指定等の状況

未指定(生活文化)

ストーリーの中の位置づけ

竪穴住居、中門造り、せがい造り、高床・落雪住宅、融雪屋根、耐雪住宅、アーチ型建物など豪雪に耐える雪国の建築の知恵がこの地に揃う。

 

 

 

22. 婿投げ

指定等の状況

市指定(風俗慣習)

ストーリーの中の位置づけ

江戸時代から松之山地域に伝わる小正月行事。村の娘を嫁にもらった他村の婿が嫁同伴で藪入りの初泊まりにくると、村の若者が集まって婿を村はずれの観音堂に背負って行き、みんなで御神酒をいただいてから婿を胴上げし、約5mもある崖下の雪の中に投げ落とすという荒っぽい行事。

 

 

 

23. 鳥追い

指定等の状況

未指定(風俗慣習)

ストーリーの中の位置づけ

小正月に行う予祝行事。集落ごとにホンヤラドウ(雪ん堂・ホウリンドウ)といわれる雪の壁や洞をつくり、子どもたちがその中で楽しく過ごす。その後拍子木を打ちながら鳥追い唄を歌い、集落内を回る。

 

 

 

24. スミぬり

指定等の状況

市指定(風俗慣習)

ストーリーの中の位置づけ

松之山地域に伝わる小正月行事。門松やしめ飾りなどを持ちより、雑木と稲わらで作った高い塔に火をつけてサイノカミの火祭りを行う。この灰を雪と混ぜあわせたスミを「おめでとう」といいながら誰かれとなく顔に塗りつけて回り、無病息災や家業繁栄を祈る。

 

 

 

25. 大白倉(おおしらくら)のバイトウ

指定等の状況

未指定(風俗慣習)

ストーリーの中の位置づけ

川西地域大白倉の小正月行事。ケヤキとワラで雪原に作った直径8m、高さ10mのバイトウという小屋の中で、酒を酌み交わし祝い唄を歌う。その後バイトウに火を付け、炎の上がり方でその年の豊凶を占う。

 

 

 

26. 節季市(せっきいち)・チンコロ

指定等の状況

未指定(風俗慣習)

ストーリーの中の位置づけ

近在の農家が、自作のワラ細工や竹細工、木工品、野菜類などを持ち寄って売った市。明治時代までは年末に開かれ、正月や越冬に必要な品を調達した。子犬をかたどった米粉細工「チンコロ」が売られることから「チンコロ市」とも呼ばれる。現在も毎年1月に開かれる。

 

 

 

27. 十日町雪まつり

指定等の状況

未指定(風俗慣習)

ストーリーの中の位置づけ

時に苦難をもたらすものであった雪を「敵とせず友としよう」という発想から生まれた冬の行事。昭和25年(1950)の第1回目の開催から令和2年(2020)で71回目となる。市民の製作による雪像作品展など、様々な催しが行われる。

 

 

 

28. 清津峡(きよつきょう)

指定等の状況

国名勝・天然記念物

ストーリーの中の位置づけ

巨大な岩壁を形成するひん岩の柱状節理の浸食谷と美しい清流の清津川がつくる見事な峡谷。景観を鑑賞できるトンネルからは四季折々の絶景を楽しむことができる。

 

 

 

29. 田代の七ツ釜(ななつがま)

指定等の状況

国名勝・天然記念物

ストーリーの中の位置づけ

清津川の支流の一つ釜川に、七つの滝と滝つぼ(釜)が約1kmにわたって連なる峡谷。釜川の左岸は縦層、右岸は断面層柱状節理がみごとに発達している。「北越雪譜」にも記されるなど古くから知られる景勝地である。

 

 

 

30. 中手(なかて)の黒滝

指定等の状況

市指定(名勝)

ストーリーの中の位置づけ

中手川が流れ落ちる高さ約20m、幅約20mの滝で、滝の背後には魚沼層の露頭がみられる。春には雪解け水が迫力をもって流れ落ち、秋には鮮やかな紅葉に彩られる。

 

 

 

31. 棚田(たなだ)

指定等の状況

未指定(文化的景観)

ストーリーの中の位置づけ

市内各所の山間地の斜面に広がる棚田は、日本の原風景ともいえる景観である。棚田の上のため池に雪解け水を溜めて、農業用水として使用する。

 

 

 

32. 美人林

指定等の状況

未指定(文化的景観)

ストーリーの中の位置づけ

多雪地帯には低標高であってもブナ林があり、古くから薪炭として利用されてきた。美人林は、大正時代に一度伐採されたブナの木々が再び一斉に伸びた二次林で、すらりとした姿が美しいことから命名された。

 

 

 

33. 天水山麓(あまみずさんろく)のブナ原生林

指定等の状況

市指定(天然記念物)

ストーリーの中の位置づけ

新潟・長野県境の天水山にある樹齢30~100年ほどのブナが育つ広大な原生林。豪雪を耐え抜くブナの幹は、太いもので幹回りが1m余りになっている。かつてはここで炭焼きが行われていた。

 

 

 

34. 長安寺(ちょうあんじ)のブナ林

指定等の状況

未指定(天然記念物)

ストーリーの中の位置づけ

里山周辺の低海抜地に残存する貴重なブナの自然林として、新潟県緑地環境保全地域に指定されている。

 

 

 

35. 笹山遺跡出土品

指定等の状況

国・市指定(考古資料)

ストーリーの中の位置づけ

縄文時代中期から後期と中世の集落跡からの出土品。独特の造形美を持つ火焔型土器など928点が国宝に指定され、そのほかが市指定文化財に指定されている。

 

 

 

36. 野首(のくび)遺跡出土品

指定等の状況

県指定(考古資料)

ストーリーの中の位置づけ

縄文時代中期から後期の大集落跡からの出土品。縄文人の道具一式がそろい、バラエティー豊かな火焔型土器を含み、特に中期の土器が豊富である。

 

 

 

37. 幅上(はばがみ)遺跡出土品

指定等の状況

市指定(考古資料)

ストーリーの中の位置づけ

縄文時代の土器と石器で構成される出土品。火焔型土器を含む深鉢形土器や稀少な器台形土器、土偶など様々な土製品がある。

 

 

 

38. 十日町小唄

指定等の状況

未指定(民俗芸能)

ストーリーの中の位置づけ

昭和4年につくられた織物産地十日町のCMソング。雪国情緒にあふれた歌詞で、新潟県の「新民謡」として全国的に有名になり愛唱されている。