昔からの知恵

更新日:2021年04月22日

うまいぞ! タクアン・野沢菜(のざわな)漬(づ)け

大きな更に盛り付けられた美味しそうな野沢菜の写真
タクアンやお新香、ゴボウのきんぴらなどが乗せられた食卓の写真

こちらでは、タクアンと野沢菜漬けを11月にたくさんつくります。漬物(つけもの)は気温が高いとすぐに悪くなってしまいます。その点、雪国では、漬物を家の涼(すず)しいところに置いておけば、雪が天然(てんねん)の冷ぞう庫の役わりをはたしておいしくできるのです。

また、漬物をたくさんつくるようになったもともとの理由は雪にあります。冬の雪国では田畑が雪にうもれてしまい、新鮮(しんせん)な野菜が手に入りにくかったのです。そこで冬でも野菜が食べられるように工夫して、できあがったのが漬物です。

今ではスーパーに行けば一年中いろいろな物が買えるようになったので、漬物をたくさんつくる家もへってきています。

天然(てんねん)の冷ぞうこ

赤いエプロン姿の女性が雪に大根を差し込んで、冷蔵保存している処の写真

食べ物の保存(ほぞん)方法は、みなさんと同じように冷ぞうこを使っています。なかには「雪室(ゆきむろ)」をつくって、野菜を保存しておく家庭もあります。

野菜を厚(あつ)めのわらや新聞紙などに包(つつ)んで、凍(こお)らないようにし、雪の中にうめておくのです。そうすると冷蔵ぞうこよりも野菜を保存するのに最適(さいてき)な湿度(しつど)・温度になります。野菜がすごく新鮮(しんせん)で長持ちします。

写真提供:佐藤一善さん

黒い粉をまいて雪を消す

男性が雪に蓄熱効果のある木炭をまいて、雪を溶かしている様子。

春の雪国では、いつまでも田畑に雪が残っていると、作物の種(たね)まきができません。雪がたくさん残っている年は、植物の春先の成長がおくれ、収穫量(しゅうかくりょう)が減ることが心配されます。

そこで、雪を一日でも早く消すために、雪国の農家の人は田畑に木炭(もくたん)の粉や黒い土をまきます。雪の表面を黒くすると、表面が太陽の熱(ねつ)を吸収(きゅうしゅう)しやすくなって、雪が早くとけます。

木炭などが成分(せいぶん)の黒い粉は「消雪促進材(しょうせつそくしんざい)」という名前で、袋(ふくろ)に入ったものが、お店で売られています。